葬儀・告別式への参列(死者を葬る儀式、別れを告げる儀式)

~葬儀・告別式への出席は交際の程度で判断~

 葬儀と告別式に出席することを、会葬といいます。葬儀は死者を葬る儀式であり、告別式は故人にゆかりの人々が別れを告げる儀式で、本来は別々のものです。
 そして葬儀は遺族、近親者のほか、故人の社会的関係が密接だった会社や団体の関係者、特に親しかった友人、知人などの間で行われ、一般の人は告別式だけに参列すればよいのです。しかし、最近は自宅などでの小規模の葬式の場合は、厳密に区別しなくなってきています。
 葬儀から参列するか、告別式だけに参列するかは、故人と喪家とのつきあいの程度によって自分で判断します。
 しかし、普通程度のつきあいで葬儀に出てはいけない、という決まりがありわけではありません。ぜひとも参列したいと思うときは、世話役など喪家側の人に申し出れば喜んで同意していただけると思います。ただし、このときには末席にすわり、焼香も最後にというのが礼儀です。
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~葬儀に参列する場合は定刻より早めに~

●葬儀のみに参列
 葬儀に参列する場合は、読経中や祈祷中に遅れて入っていくようなことがないよう、定刻より早めに行き、定められた席に着くようにします。席が指示されない場合は、自分の立場と他の参列者のことを考えて、やや控えめな席に着きます。

●告別式と両方に参列する
 葬儀に参列したら、当然告別式にも参列すべきですが、時間の都合で葬儀終了と同時に辞去しなければならないときは、初めから、末席に着くようにし、葬儀から告別式に移る間にそっと席をはずします。そのとき、遺族には声をかけず、受付などの世話役によろしく伝えてくれるよう挨拶して失礼します。

●告別式だけに参列
 式が行われている時間内に伺って、焼香や献花をして拝礼します。しかし、どうしても葬儀が告別式の時間にくい込むことが多く、定刻前に到着すると、待つこともあります。むしろ、会葬者の数が少なくなる後半に伺うほうが、告別式の時間いっぱい焼香が絶えないように、という遺族の気持ちに添うことができて、よい場合もあります。
 しかし、いくら後半がよいからといって、焼香の人が全くとだえてから着いたのでは気詰まりですし、出棺の準備にとりかかってからではかえって失礼です。定刻よりやや遅れかげんで行き、出棺までお見送りするのがよいでしょう。

~受付での挨拶とマナー~

 葬儀、告別式のいずれの場合も会葬者はまず受付に行きます。ここで係の人に、「このたびはご愁傷さまでございます」などと簡潔に弔意を述べ、香典をさし出し、会葬者芳名帳に記帳します。通夜に出席して、すでに香典を供えてある場合は、記帳だけにします。
 この名簿は、後日、喪家側が香典返しを送る際などの参考になるものですから、住所もきちんと記入しましょう。
 受付がない場合は、香典は焼香のときに自分で祭壇に供えます。
 故人と仕事上の関係があって名刺をさし出したほうがよい場合には、記帳にかえて名刺をさし出します。
 また、上司が都合で出席できず、代理として参列する場合には、上役の名刺に添えて、右肩に「代理」と記入した自分の名刺を先方に向けてさし出します。

~手回り品は1つにまとめて~

 葬儀、告別式の式場では、故人を悼む気持ちと、謹んで今生のお別れをするとの気持ちをあらわすことがたいせつですから、道中着であるコート、ショール、帽子、手袋などは、受付に着くまでに脱ぐのが故人に対する礼儀です。
 脱いだものは1つにまとめて受付か、荷物預かり所に預けます。

~遺族へのお悔やみは目礼だけでよい~

 受付など世話役への挨拶は忘れないようにしますが、葬儀や告別式の式場では、遺族をわざわざさがして挨拶をするのは失礼にあたります。
 焼香のときに遺族と向かい合ったときも、軽く会釈するだけでよく、特にお悔やみを述べる必要はありません。
 席次は通夜のときとだいたい同じですから、自分で判断して控えめな席にすわりましょう。式場がいす席の場合は、到着順に詰めてかまいません。
 また、式場で知人に会った場合も大声で話しかけたりせず、目礼だけして、用があれば出棺後に声をかけるようにします。

~出棺はできるだけ見送るようにしたい~

 時間に余裕がない人は告別式で焼香したあとすぐ帰ってもかまいませんが、できれば出棺は見送るようにします。あまり親しくない近所の人で、告別式への出席は遠慮したような場合でも、出棺の見送りはしたいものです。
 見送るときは、よほど寒いとき以外はコートやショールなどは脱いで、それを手に持つのが礼儀です。また、雨の日なら派手な傘は避けて、黒か黒っぽいものをさすなどの心づかいも必要です。
 いよいよ出棺となったら冥福を祈って丁寧に頭を下げ、棺を見送ります。霊柩車が去ったあと、すぐに大声で話したり、笑い声を立てたりするのは不謹慎でマナーに反します。

~火葬場への同行は自発的な気持ちで~

 火葬場へは普通、遺族と近親者が同行しますが、特に遺族から依頼された場合や、頼まれなくても行きたい場合には、友人や知人の間柄でも同行してかまいません。
 自分から望む場合には、あらかじめ遺族側に申し入れをしておきますが、突然の参加の場合でも、車の手配などがありますから、なるべく早めに申し出ましょう。
 また、そのつもりがなくて依頼されることもあります。そんなときは、できるだけ遺族の申し出に添うようにしたいものです。もし、どうしてもその時間がとれなくて断らなければならないときは、「申しわけありません。今日はどうしても時間の都合がつきませんので、明日にでもまたお参りに伺います」と、丁寧に断りましょう。

~一般会葬者の服装は平服でもよい~

 親族とその姻族くらいまでの遺族と、喪家側の立場になる世話人をはじめ、団体葬、社葬などではその関係者は喪服着用ですが、一般会葬者は、地味で清潔な平服でかまいません。
 最近の傾向として、一般の会葬者も、喪服を着るものというようになってきていますが、そんなことはありません。喪服を持たないので出席できないなどということのないようにしましょう。
 また、亡くなった人が親族や姻族でなくても、お世話になったり、お慕いしていた目上のかたなどの場合は、礼を尽くすという意味で喪服を着てもよいと思います。
 ただし、遺族がおおげさな葬儀になることを嫌がっている場合とか、身寄りが少なく参列者がほとんどいないというような場合は、目立たない平服のほうが、遺族の気持ちに添えるでしょう。
 また、教会や寺院での葬儀では、音を立てるげたをはくのは避けます。

~火葬を待つ間は~

 火葬場に到着すると、係によって棺がかまの中におさめられます。そのあと僧侶が同行したときには、最後の読経が上げられ、僧侶の焼香につづいて喪主から血縁関係の深い順に焼香をします。
 火葬は1、2時間ほどで終わりますが、このときが、遺族にとって最もつらいときです。その間、控え室で軽いふるまいものが出されることがあります。お酒を出されても、口を湿らす程度に抑え、故人の思い出話などをして静かに待ちます。

~精進落としの宴では~

 仏式では、火葬が終わったあと、葬儀のときに世話になった人々を招いて、精進落としが行われます。
 この宴は、いわば働いてくれた人々の労をねぎらうとの意味が強いものですから、葬儀委員長をはじめ、司会役、受付係、勝手方などを務めた人たちは、上座におかれるのが普通です。ですからその係だった人は、上座をすすめられても、辞退する必要はなく、すすめられた席に着き、飲食します。
 こんな場合、一段落してほっとした気分になるものですが、遺族はまだ深い悲しみの中にいるときですから、お酒を飲みすぎて酔ったり、声高の会話などは慎むのが礼儀です。
 また、故人の最期の様子や、遺族の今後の生活などは、遺族のほうから話が出れば静かに聞きますが、こちらから聞き出すようなことは慎みたいことです。
 宴は、喪主の挨拶があってお開きになるのが普通です。関係者は、遺族も世話役も、みんな疲れているのですから、お開きになったら、静かに立って遺族に挨拶をし、辞去しましょう。このときの挨拶の言葉は、
 「おつらいことですが、どうぞ元気を出されて、お体をたいせつに」
 「お寂しくなりましたが、私もできるだけお伺いするようにいたしますので、どうぞ気をとり直されますように」
 「お疲れでしょうから、体を休ませられることに専念なさってくださいませね」
 などというように、慰め、励ます内容にします。まちがっても、
 「今日はたいへんごちそうになりまして、楽しかったです」
 などという挨拶はしないように気をつけます。

香典袋にお金を入れ忘れたら

 香典の金包みにお金を入れ忘れることも、ときどきあるようです。
 こういうことがないように、香典袋は家を出る前に必ず確認するようにしましょう。
 葬儀・告別式の受付にさし出したあとで気づいたら、受付か世話役に申し出て確認してもらいます。
 もし、お金が入っていなければ金包みを返してもらい、お金を入れて改めてお渡しするとよいでしょう。このとき、おわびの言葉も忘れないようにしましょう。
 後日気づいた場合は、遺族に電話で確認し、持参するか、おわびの手紙とともに改めて香典を郵送します。
 金包みにお金を入れたかどうかはっきりせず、気になるような場合もそのままにせず、必ず先方に連絡して、上記のような手順をとるのがマナーといえましょう。

子供連れの弔問の場合

 喪家に対しても迷惑になるので、通夜や葬儀には小さな子供を連れていかないのが原則です。しかし、子供自身の友だちが亡くなったときなどは別で、その際には連れていきます。
 遺体との対面をこわがるようなら遠慮してもかまいませんが、なるべくなら、よく説明して納得のうえで連れていきます。花で飾られて納棺された遺体とのお別れには、静かに死の現実をみとらせてあげることも、子供にとっても人生の勉強ですし、お別れの心のあらわれともなります。
 そして、少し早めに出かけるようにします。その際、子供の様子でいっしょに焼香させるのは無理のようだと判断した場合には、そばの人に子供をみてもらって、その間に焼香をすませます。焼香が終わったら、なるべく早く引き揚げるようにしましょう。