葬儀の後始末(支払い・各所への届けなど)

~事務の引き継ぎ~

 遺族は葬儀がすみしだい世話役にお礼を述べ、世話役代表と会計係から事務を引き継ぎます。
 弔問客の名簿、香典や供物の控え帳、弔電や弔辞などを受けとり、その場ですぐ改めます。
 次に会計記録の現金支払いも未払い額を確認し、領収書を確かめ、世話役の立替金があればここで清算して、会計の締めくくりをします。
 またこのときに、会葬者に直接応対した各世話役の人から、遺族の気づかなかったことなどを聞いておくと、あとあとのお礼の挨拶が行き届きます。

~各所への支払いはなるべく早めに~

●葬儀社への支払い
 葬儀後、2、3日のうちに葬儀社から明細を記した請求書が届きます。葬儀費用は、最初の見積もりよりも追加事項が加わって若干ふえるのが普通ですが、内容をよく照合したうえで支払いましょう。
 また、規定の費用とは別に、葬儀全般にわたってお世話になった労をねぎらう意味でも、別に心づけを包むこともあります。

●仕出し屋、酒屋などへの支払い
 残っている支払い、たとえば仕出し屋とか酒屋、すし屋などへは、なるべく早く、できれば翌日にでも使いを出してすませるようにします。

●病院への支払い
 葬儀の取り込みで、つい忘れがちな支払いは、医療費です。まだ支払っていなければ、これもすぐにすませましょう。謝礼や心づけはなくてもよいのですが、故人が長く入院していたり、手術をしたような場合には、その謝意をあらわす程度のお礼を持参して挨拶をしたほうがよいでしょう。

~部屋や什器の片づけと借りた物の返却~

 遺骨を安置している部屋は、納骨の日までそのままにしておきます。ほかの部屋は元どおりにしますが、葬儀後しばらくの間は、都合で参列できなかった人や、あとから不幸を知った人たちが弔問に来ることがありますので、派手な飾り物は当分の間控えましょう。
 隣近所から借りた食器や茶器などは、挨拶とお礼を述べてできるだけ早く返却するのがマナーです。
 また、町内にはった道案内の標示紙もとりはずして焼却します。

~お礼は早めに直接伺うのが礼儀~

 弔辞をいただいたり、弔問に来てくださった親しいかた、病臥中特別お世話になったかたがたなどには、2、3日のうちにお伺いしてお礼を申し上げるのが礼儀です。
 しかし、突然訪問しても相手の都合もあることですから、とりあえず電話でお礼を述べ、都合のよい日に伺いたいと伝えるのがマナーです。お礼は後日改めてするのが礼儀ですから、このときは金品を持参する必要はありません。
 葬儀でお世話になったかた、寺院や神社、教会などにも、葬儀の翌日または翌々日に、それが無理なら初七日までに、お礼の挨拶に伺います。近年では僧侶、神職、教会へのお礼は、告別式当日にすませることが多くなっているようですが、まだすませていなければ、このときに、お礼を包みます。
 金額は規定があればそれに従いますが、なければ葬儀社の人や、檀家総代、氏子総代、教会なら、信者の長老に相談するとよいでしょう。寺院、会場などの使用料は別会計ですから、お礼とは別の包みにします。
 いずれの場合も、喪主と遺族代表が2人で出向くことが望ましく、服装は喪服か、それに準じた地味な平服を着用します。

●お寺、神社、教会への謝礼
 お礼は、寺社に不幸があったわけではありませんので、紅白の水引で結んでよいのですが、抵抗があるという人が少なくありません。奉書紙で包んで水引をかけないか、白封筒にお金を入れて、表書きは仏式なら「御布施」または「御経料」、神式は「御神饌料」、キリスト教は「御花料」とし、いずれの場合も「御礼」としてもかまいません。喪家の名前の書き方は、○○家でも喪主のフルネームでもよいでしょう。

●葬儀の世話役や裏方への謝礼
 葬儀に関する世話は、一とおりの好意でできることではありません。多少の不満があったとしても、それは伏せて、尽力に対しての感謝の気持ちは、丁寧に申し述べます。
 そして葬儀委員や会計などをしてくださったかたが、目上のかただったり勤務先のかただったりした場合には、何かお礼の品を持参してお宅に伺い、お礼を申し述べるようにします。葬儀全体について、めんどうを見ていただいた代表(葬儀委員長)のかたには、礼金をさしあげることが多いようですが、要は感謝の念をあらわすご挨拶ですから、金品の持参よりも、参上してご挨拶するということがたいせつです。
 雑用を手伝ってくれた、日ごろから親しくしている人には、「御礼」「御車代」などとして、いくらかのお金を包んで、その労をねぎらい、感謝の気持ちをあらわします。
 それから、ご近所への挨拶も忘れないようにしましょう。道案内のはり紙をお願いしたお宅には、その際、お礼を述べます。挨拶の言葉としては、「いろいろご迷惑をおかけいたしまして申しわけございませんでした。おかげさまで、葬儀も滞りなくすませることができ、ありがたく存じます」というように。
 また、酒屋、知り合いの運転手、出入りの職人などが手伝ってくれたときは、現金で謝礼しても失礼になりません。和紙で包んだり、白無地の封筒などに入れて「志」とか「御礼」などと表書きして渡します。

~各所への届けは規定の期間内に~

 最近はほとんどの人がなんらかの保険に加入しています。生命保険や厚生年金保険、国民年金など、故人が加入していた保険の機関に連絡して、しかるべき手続きをするのもあと始末の1つです。

●生命保険
 死亡時の生命保険の手続きは2カ月以内にします。まず契約保険会社の本社か支社、外交員のいずれかに連絡します。これは電話でよく、故人の氏名、保険証番号、死因、死亡年月日を告げます。
 すると保険会社から死亡保険金請求書の用紙が送られてきますので、これに必要事項を書き込み、

1)医師の死亡診断書
2)被保険者の除籍抄本
3)保険金受取人の戸籍抄本と印鑑証明
4)保険証券および最終の保険領収書
 以上、4通の書類をととのえて提出します。
 また生命保険では、事故死のときには病死の倍額の保険金が支払われるものがあります。この場合は、前記書類のほかに、次の書類を求められることがあります。

1.警察の事故証明
2.死体検案調書の写し
3.事故を伝えた新聞記事
4.保険会社指定の死亡診断書

●厚生年金保険
 在職中の死亡の場合は、ほとんどの場合、故人の勤務先の会社で手続きを代行してくれます。故人がすでに退職して老齢年金を受給していた場合は、社会保険事務所に行きます。必要な書類は、次のとおりです。

1.遺族年金裁定請求書
2.年金手帳または被保険者証
3.戸籍謄本
4.死亡診断書
 この権利は5年間有効ですが、故人の収入で生活していた遺族に、引きつづき遺族年金が支給されますので、早めに手続きしましょう。

●国民年金
 加入していた本人が受給者になっています。しかし、生計の中心者が国民年金に加入していたときは、その遺族に母子年金、遺族年金、寡婦年金などのうち、条件によっていずれかが支給されます。
 また、3年以上保険料を掛けていた人が死亡した場合には、死亡一時金が遺族に支払われます。居住地自治体の国民年金課に連絡して手続きをします。
 それから、故人が勤務先で加入していた健康保険は、死亡すると権利を失います。遺族は1日も早く、居住地自治体の、国民健康保険に加入する手続きをとりましょう。

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