結納の席での仲人としての役割(結納交換に立ち会うのは、仲人の仕事)

~結納の形式は両家の話し合いに従う~

 正式に婚約がととのったところで、結納をとり交わし、結婚の約束が成立したことになります。
 本来は、両家の使者が結納の品を持って、それぞれの家を往復したものですが、今では、結納交換に立ち会うのは、仲人の仕事になりました。結納交換を省略し、記念品交換を中心にした婚約式という形をとることもあり、その場合、仲人は婚約の証人になります。
 また、結納の方法には、地方によって、いろいろな行い方があるものですから、原則としては男性、つまり結納を贈るほうの作法で進めます。しきたりの違いは、よく話し合って決めてもらっておくことです。
 関東地方では、結納を半返しにするとか、関西地方ではお返しをしないとか、扇を必ず添える、飾り物が華やかである、家紋つきのふくさをかける、結納品を包むふろしきは先方に置いてくるなど、こまかい違いがあることをわきまえて、両家での話し合いの結果に従います。
 ただし、結納の金額や格式などについて、仲人側から口をはさむべきではありません。

~服装は、本人・両親と格を合わせる~

 当日の服装は、両親たちと打ち合わせて、格をそろえるようにします。普通、仲人はブラックスーツかモーニングに、白のネクタイ。夫人は色無地、訪問着、色留め袖などが多く着られています。
 また、普通、結納式のあと、両家といっしょに会食しますが、両家の両親が正式に顔合わせする機会ですから、将来、より親しくおつきあいできるように仲立ちするのも、たいせつなことです。

~落ち着いた態度で臨む~

 今では、両家を往復する結納交換は少なくなっています。両家の距離が遠くなっていること、個人宅では諸事万端不案内なことが多いことのほか、住宅事情や、時間的な問題がからんで、ホテルや結婚式場、レストランなどに集まって、一度に結納を交換することが多くなりました。
 会場での結納交換は、その旨申し込むと、洋室ならば金びょうぶや結納を飾る台をしつらえてあり、たとえば、明治記念館などでは、和室の床の間に、結納にふさわしい飾りつけをして準備しています。いずれにしても、会場では係の人が進行を指示してくれるので、それに従って、落ち着いて、厳粛に執り行うようにします。
 結納は、だいたい日が上っている間、潮が満ちるときに納めるもの、といわれているので、多くの場合は、午前中か昼間には始められます。
 なお、結納の際の口上は、余分な言葉を使わず、決まり文句を丁寧に述べることです。また、結納は二度あってはならないことなので、“かえすがえす”というような重ね言葉は使わないようにします。

~仲人宅で結納を交わすときの心得~

 仲人宅に集まって、結納交換する場合は、床の間や飾り棚におめでたい掛け軸や花を飾っておき、上座に向かって左右に、両家の人数分だけ席をつくり、上座に仲人夫婦がすわります。なお、床の間側が上席で、男性側の席にするのが普通です。
 結納品は、本人の前か脇に仮置きし、両家が向かい合ったところで、「本来ならば、私がご両家に持参するところでございますが、勝手をさせていただき、申しわけございません」と仲人がひと言、言い添えます。
 当日は、桜湯やこぶ茶に祝い菓子を添えます。結納交換後の食事などは、本来は両家側で負担するものなので、よく相談しておくことです。
 

広蓋(ひろぶた)の扱い方

結納品や目録、受書をのせる広蓋の扱いに慣れておくと、仲人を頼まれたとき、とまどうようなことがありません。
方向転換するときは、
1)右手を上右角に、左手を下の左角に持って行き、
2)90度回し、
3)再び同じようにして90度と、時計回しにし、
4)相手側に向けて置きます。
hirobuta

目録の扱い方

1)水引は、両手の人差し指で向こうへ押しながら抜きとります。抜いた水引は片木盆の上に置きます。
2)目録の上包みの上下を開き、中の目録を出します。左手の人差し指と中指の間に目録を持ちかえると出しやすくなります。次に、中の目録を出しながら、上包みを閉じ、右手の目録(中身)と上包みを持ちかえ、上包みは片木盆の上に置きます。
mokuroku

結納品の取り扱い方

 両家を往復する伝統的な結納では、仲人が結納品を床の間に飾ったり、また持ち運ぶことになります。
 結納品の飾り方は、市販のものならば、説明書があるので、どちらかの家でそれを見せてもらい、あらかじめ扱い方を練習しておくとよいでしょう。
 また、結納品を持ち運ぶ場合は、大きめのふろしきで、四隅や両端を結ばず、家紋が上に出るように包むのがしきたりです。