納棺(納棺作法)

~納棺は通夜の前にすませる~

 通夜はおおぜいの人が集まるため、通夜前に納棺して、祭壇をしつらえることが多くなっています。一般に死亡当日の夜が通夜ですから、その日の日没時に納棺しますが、季節によっては、遺体が腐敗しやすいので納棺を早めることもあります。夏季はドライアイスを詰めます。
 棺の中には生前愛用していた品や愛読書などをおさめ、花で遺体を飾るなどします。ただし、ガラス、金属製品は、遺体をよごしたりしますので避けます。眼鏡なども入れることができませんが、抜けなくなった結婚指輪などは、つけたままでやむをえないでしょう。
nokan

~仏式の納棺作法~

 納棺は本来、遺族の手によって行います。遺体は死に装束をつけたまま、頭、胴、脚などを全員でそっと支えて、あおむけに静かに棺に納めます。ただ最近では、手なれた葬儀社の人の手で納棺してもらうことが多いようです。また、遺体は硬直していますから、無理に動かさず、葬儀社の人の手を借りましょう。
 遺体を棺に納めたら、仏式では経帷子(きょうかたびら)をかけ、手を組ませて数珠を持たせます。戒名を書いた紙(棺書)を遺体の上にのせ、棺の蓋をして金襴の布でおおいます。蓋は、出棺のときまで釘づけしないのが普通です。通夜が行われる部屋の祭壇に北か西の方角に頭を向けて安置し、一同で焼香します。

~神式の納棺方法~

 納棺の儀と呼ばれますが、遺体の扱い方は仏式の場合とほとんど同じです。
 納棺の儀から発柩(はっきゅう)(出棺)までの間、朝夕2回、故人の好物や洗米、塩、水などを供えます。

~キリスト教式の納棺作法~

 牧師(神父)が故人の枕元で祈ったあと、近親者の手で納棺します。顔や胸の周りを花で飾り、棺を黒い布でおおい、祭壇に安置し、棺の上に白い花で飾った十字架をのせます。そのあと、一同が座に着いて故人の愛唱した賛美歌(聖歌)、聖書の一節、祈りをささげ、故人をしのぶ言葉、賛美歌、祈りの順で終わります。プロテスタント、カトリックとも納棺の作法は同じです。

仏名(戒名・法名・法号)

●戒名とは
 仏教徒は、死亡して通夜までの間に、故人の俗名を改め、戒名をいただくのが普通です。
 戒名というのは、曹洞(そうとう)宗の言い方で、浄土真宗では法名、日蓮宗では法号といいます。
 もともと仏の弟子となったあかしとして与えられるものでした。

●戒名の格づけ
 戒名は本来、菩提寺から故人の信仰に対して授けられるもので、お金で買うものではありません。しかし、菩提寺とのつきあいが疎遠になりがちの現代では、戒名の格に応じた謝礼が必要になってきています。
 謝礼の金額はケースにより千差万別ですが、一般にたいへん高くなっているようです。葬儀の世話役など、第三者を通じて菩提寺に問い合わせるとよいでしょう。また葬儀社から寺院を紹介してもらい、その寺院の僧侶に戒名をつけていただいた場合の謝礼は、葬儀社に相談するとよいでしょう。
 最高位は「○○院殿××××大居士(女性なら清大姉)」の院殿号ですが、これは、昔は大名などに限られ、現代でも社会に貢献した人、寺の興隆に尽くした人に授けられることになっていますから、少ないようです。
 次が院号で、「○○院××××居士(大姉)」で、昔は、奉行格の武家につけられていました。今も昔もいちばん多いのが「○○○○信士・信女」で、一般庶民につけられます。子供は「童子・童女」赤ちゃんは「孩児(がいじ)」となります。

●戒名は葬儀のあとでも
 戒名は、葬儀のときまでにつけてもらわなければならないわけではありません。
 菩提寺から遠く離れたところで葬儀をするような場合は、俗名のままで葬儀をすませ、あとで授けてもらってもよいのです。