披露宴での役割(挨拶は披露宴のヤマ場)

~会場の入り口でお客を出迎える~

 披露宴が始まる前に、仲人は両家の人たちの紹介によって、来賓に挨拶し、招待者側として、「本日はお忙しい中をご出席ありがとうございます」とお礼の言葉を述べます。その他の来客たちとも歓談したのち、全員が入場する際には、新郎新婦、両親たちとともに、入り口で出迎えます。このときは、軽く会釈する程度で、丁寧な言葉は不要です。
 全員着席してから、係の先導で、仲人、新郎新婦、仲人夫人とつづいて入場します。

~仲人挨拶は披露宴のヤマ場~

 仲人の仕事の中で、いちばんの大役が披露宴での挨拶です。
 事前によく情報を集めて、しっかりした原稿を作っておくことは言うまでもありません。メモや巻紙のようなものを出して、つっかえながら読んでは座がしらけます。400字詰め原稿用紙3、4枚程度にまとめて、よく下読みしておきます。
 結婚は、ふたりが永遠に結ばれることを願うものなので、それに反する言葉は、忌み言葉として使わない習慣があります。
 たとえば、別れる、離れる、切れる、戻る、流れる、去る、やめる、絶える、死ぬ、退くなど、離婚を連想させるような言葉です。また、四―死、九―苦に結びつく数字とか、重ね言葉はいけないなどとされているので、使うのは避けるほうが無難です。
 このほか、挨拶には、必ず結婚式の報告が要るとか、列席者へのお願いを加えるなどという、幾つかのポイントがあります。それについては「媒酌人の挨拶」を参考にして原稿をまとめておくとよいでしょう。
 仲人の挨拶は、いわば披露宴開始のヤマ場。失敗しないためにも、式の前までに、早めに両家や本人たちについての資料を十分に提供してもらい、仲人挨拶の原稿がまとめられるように手配します。式の日だけの頼まれ仲人ならば、両家の親たちと前もって会合しておきたいところです。
 なお、仲人が挨拶をしている間は、仲人夫人は新郎新婦とともに、起立しています。
 仲人の挨拶時間は3~5分くらいでおさまるようにし、だらだらと長く話すことはやめます。特に、仲人は主催者側なのですから、新夫婦への助言や忠告をくどくどと述べるようなことは、やめておきたいものです。

~仲人夫人は新婦の世話をする~

 主賓の祝辞をいただくときは、仲人も新郎新婦とともに、起立して伺うようにします。ただし、主賓から着席をすすめられたら、すわってもかまいません。
 ウエディングケーキに入刀したり、樽酒の鏡開きなどのあと、乾杯がすんでからは、仲人も落ち着いて食事をとります。新郎新婦とともに、全員の注目を浴びていますから、形よく、楽しげにいただきます。
 乾杯後は、新婦がお色直しに席をはずすようになるので、仲人夫人は係の指示に従って、会場の出口まで見送り、入り口まで迎えに行きます。新婦のお色直し中は、仲人夫人がとり残された感じにならないよう、にこやかに、周囲に調子を合わせながら、食事をいただきます。
 お色直しがすんだ新婦が席に戻ってからは、新婦も食事や飲み物がとれるように介添えしたり、話かけて笑顔を誘い出すようにするなど、こまかな気働きが必要です。気分が悪いようなときには、早めに係に告げて、さりげなく席をはずさせるように手配します。

~話題は“きどにたちかけし”で~

 頼まれ仲人と新郎新婦の間柄で、それほど親しい関係になっていないとき、面識のない同席者があるときなど、メーンテーブルで緊張した雰囲気にならないよう、仲人夫妻が気をきかせて、話しかけていきます。特に、かたくなりがちな新婦の気持ちをほぐすためには、仲人夫人のやさしい語りかけが必要です。
 話題を引き出すためには、“きどにたちかけし”の要領がよいでしょう。きは季節、どは道楽(趣味)、にはニュース、たは旅、ちは共通の知人、かは家庭、けは健康、しは仕事に関する話題です。
 また、新婚旅行に関することを尋ねてもよいし、出席した新婦の友人や家族のことなどをきっかけにして話を進めると、緊張ぎみの新婦の気持ちもほぐれ、自然な雰囲気が生まれます。
 ときには、ご年配のかたなど、杯の献酬に来られることもあるでしょうが、洋食のテーブルマナーに反するなどと、堅苦しく考えず、にこやかにお受けします。全体がなごやかになるのが第一ですから、臨機応変にふるまって、しかも品格を落とさないようにすることです。

~お開きのあとは、早めに引き上げる~

 披露宴が終わったら、仲人は新郎新婦や両親とともに、退場するお客さまをお礼の気持ちで見送って、式の日の仕事を終わります。
 その後は、新郎新婦や両親たちに挨拶し、司会者をねぎらってから、早めに引き上げます。いつまでも式場に残っていると、新郎新婦に気をつかわせてしまいますから、ここはさっさと帰るほうがよいのです。もし、車を手配してくれた場合は、遠慮なく利用させてもらいます。
 最近は、すぐ新婚旅行に出かけずに、ホテルなどで1泊して、若い人を中心に二次会などをやることがふえています。仲人にも声をかけられるでしょうが、特別な場合を除いてお先に失礼してもかまいません。
 また、新婚旅行の場合も、駅や飛行場まで見送る必要はありません。

hiro_nakodo