精進落とし(葬儀関係者の労をねぎらうための宴席)

~精進落としは労をねぎらう宴~

 精進とは、本来仏教で精神を込めて悪行を抑え、善行を積む行のことです。昔は通夜から葬儀まで、いっさいの“生ぐさもの”を断ったものですが、葬儀終了とともに遺族以外は通常の食事に戻る意味で、酒肴でもてなし、それを精進落としと言うようになったのです。
 現在では、本来の意味の精進ではなく、精進落としも葬儀関係者の労をねぎらうための宴席と考えてよいでしょう。
 土地によっては、精進落としの料理も、近所の人が集まって、労力奉仕をして作るしきたりが残っていますが、一般には労をねぎらうという意味からも、関係者の手をわずらわさずに、仕出し屋などから料理や弁当をとり、酒を添えることが多くなっています。
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~精進落としの宴は遺族がもてなす~

 精進落としの宴では、僧侶や葬儀委員長、世話人などを上座におき、喪主、遺族は末席に着きます。一同がそろったところで、喪主か親族代表が、お礼の言葉を述べ、宴を始めます。
 喪主や遺族は酒の酌をしたり、1人1人に丁寧にお礼を述べます。
 宴で残った料理は折詰めにして持ち帰ってもらいます。住宅事情その他で精進落としの宴が開けなければ、折詰め風弁当に酒を添えて配り、宴にかえる場合もあります。
 都合があって精進落としの宴に僧侶を招かない場合は、丁寧に挨拶をして、車代よりやや多めの「御膳料」を包むのがよいでしょう。神式でも「御膳料」で差し支えありません。車代と別にしたり、いっしょにするなどは自由です。白い封筒に入れて、「御膳料」と表書きします。

~精進落としの宴は早めに切り上げる~

 通夜からいろいろな儀式、用事がつづき、関係者は疲れていますから、精進落としの宴は早めに切り上げます。遺骨迎えのお経のあと、つづいて宴を始め、1時間か1時間半ぐらいたったところで、喪主が挨拶してお開きとなります。
 喪主は改めてお礼の言葉を述べ、「お忙しいかたがたをあまり長い間お引き留めしては申しわけございませんので」といった意味の言葉で締めくくります。
 なお、葬儀委員長をお願いしたかたには、帰りに「志」「御車代」などの形で心づけを出すこともあります。
 また、親族がそろっているときですから、精進落としの宴がすんだあとに、今後の法要の行い方などについて一同で相談しておきましょう。
 初七日、三十五日、四十九日、納骨などの日時や、招く人の範囲などを確認し合っておくことがたいせつです。

遅れて来た弔問客への対応

 人間関係が広範囲にわたっている今日では、遠方から来られるかたもあり、そうしたかたの中には適切な便が得られなかったり、道路の渋滞に巻き込まれるなどで出棺後に到着されるかたもないではありません。
 そんな場合は、留守番をしている者が丁寧に対応し、遺骨が帰ってくる予定の時刻を告げて、
「お差し支えがなければお待ちくださいませんでしょうか」と、お茶などをすすめて待っていただきましょう。このとき、すでに後飾りができていても、遺骨が帰り、祭壇に安置されてから案内し、拝礼していただくようにします。
 来られたかたが近親者で、出棺後まだあまり時間がたっておらず、追いかければ間に合うようなときは、火葬場の所在地、道順、乗り物の便などを教えるとか、車を呼ぶかタクシーまで見送るなどして、火葬場に行っていただくようにしましょう。