書き始め・鏡開き・七草・初釜など

書き初(ぞ)め

■「事始め」の日に行う
 1月2日はすべての事始めの日で、おけいこ事もこの日に始めると1年じゅううまくいくといわれます。
 書き初めは「筆初め」ともいい、宮中の「吉書
(きっしょ)初め」の行事が一般化したものです。
 若水で墨をすり、恵方(その年の吉方)に向かって、めでたい詩句を書きました。
 子供は冬休みの宿題として、手本が渡されますから、できるだけ2日に書かせるよう、指導してやるとよいでしょう。大人もいっしょに必要な年賀状を書くようにすると、実質的な書き初めになります。

七草

■手に入る菜類で七草がゆを作る
 旧暦の新年は、現在の2月ごろになるので、野山にはすでに草の芽が顔を出していました。この新芽を七種入れて炊いたかゆを食べると、万病と邪気が除かれるという言い伝えから、古くから1月7日に七草がゆを食べる風習があります。
 新しい芽には非常に強い生命力があると信じられ、この力を自分の中にとり込もうというならわしです。
 春の七草といわれるものは、地方により、産物により、それぞれ違うようです。昔は6日に野山に行ってつんできて、その夜、年神棚の前で「七草なずな、唐土の鳥が、渡らぬ先に、何草はやす、七草はやす、ストトントントン」という鳥追い歌を唱えながら刻み、7日の朝、年神様に供えてから、おかゆに炊き込みました。
 今でも地域によっては、7歳の子供がつみに行くことになっていたり、7歳の子供が近所七軒から、かゆを集めて食べるといった風習が残っているようです。
 最近は、七草をパックにしたものが売られていますから、それを利用してもよいでしょう。春の七草にこだわらず、手に入りやすい青菜を使ってもかまいません。
 この七草がゆには、お正月のごちそうで疲れた胃を休めようという、古人の知恵もあったようです。現代にも通用することでしょう。
nanakusa
 

鏡開き

■鏡もちをお汁粉に入れて食べる
 鏡開きは、もともとは武家社会の風習で、延命祈願の儀式でした。神前に供えておいた鏡もちをおろして割り、正月の終わりと新しい年の事始めの意味で食べます。切る、という言葉を嫌い、運を開くという言葉にかけて鏡開きといいます。
 江戸時代以降、1月11日がこの日に定められ、商家では蔵開きをしたり、道場では道場開きをします。
 鏡もちは刃物を使わず、手やつちで割って砕き、小豆のお汁粉にして食べるのがしきたりです。
 割ったときに出た小さなかけらは、油で揚げて、おやつやおつまみにしましょう。

小正月

■どんどや小豆がゆの行事がある
 1月15日を、元日からの大正月に対して小正月と呼んでいます。
 また、旧正月とも呼び、これは、昔の暦が、満月から満月(月の半ばから半ば)までを1カ月と定めていたためです。
 小正月の行事には、まゆ玉(もち花飾り)を作って神棚に供えたり、お正月飾りを集めて焼く、どんどや左義長の行事があります。まゆ玉のもちやだんごをこの火で焼いて食べるとかぜをひかないとか、書き初めの紙を焼いた灰が高く舞い上がると、字がうまくなるという言い伝えもあります。
 この日には、昔の中国では、小豆がゆを炊いて一家の健康を祈る風習があり、日本でもその名残りをとどめている地方もあります。

初釜

■茶道のけいこの始めの日
 茶人は元日の朝、若水をくんで釜を開き、新年の挨拶がすんだ10日ごろ、客を招いて、その年初めてのお茶をふるまうことを初釜といいました。これは弟子たちにとっては、けいこ始めの日にあたり、華やかに新年を祝う気持ちの中にも、おごそかな雰囲気があるものです。
 服装も未婚者なら振り袖、既婚者なら紋つきの色無地程度の格式が必要ですが、全員の調和を考えることもたいせつですから、慣れないときは、あらかじめ様子を尋ねておいたほうがよいでしょう。
 招く側は、新年にふさわしい道具を茶室に配置してお客を迎えるわけですから、招かれる側も、それに応じた配慮が必要になります。
 もし作法の心得がない場合には、自分勝手にふるまうよりも、周囲の人に聞くことです。
 招かれたお礼は、「寿」ののし袋を使い、菓子折などを添えてさしあげます。また、翌日にお礼に伺うのが正式ですが、やむをえないときは電話で必ず感謝の気持ちを伝えましょう。